その日は、魚の日でした。

愛する子供、大切な夫のために、自分なりに調べた栄養バランスに沿った1週間分の献立を週初めに全て決めてしまいます。
月曜から日曜まで、1週間7日のうち、豚肉2日、牛肉1日、鶏肉2日、魚2日と割り振り、献立をたてるようにしています。

 

先週の日曜日は、魚の日でした。
前の週は、確か焼き鮭と、ししゃもを焼いたのだったと思い出し、
子供の習い事の帰りに行きつけのスーパーに立ち寄りました。
ブリかサバでも買うかな、と思い、魚売り場へ行きました。
しかし、その日はあいにくどちらも見当たらず、あまり魚料理の得意ではない私は、あー、どうしよう何か焼くだけで食べられる魚、魚、魚、と探していました。

 

スイミング帰りの疲れもあり、息子が「早くしてよー」と座り込みました。
「ちょっと待ってね」と、見ると、アジの干物が目につきました。
そういえば、少し前実家で食事をしたとき、焼いたアジを出してくれ、塩気があって
美味しかったな、と思い出し、アジを購入することにしました。
家に帰り、作ってあった味噌汁を温め、フライパンでアジを焼き、サラダを盛りつけ、息子と食事を始めました。
まだ魚の骨がうまく取れない息子のために、いつも指をきれいに洗い、
身だけを丁寧にほぐし、食べさせるようにしています。

 

そこへ、夫が帰ってきました。
夫は小学校時代から、少年野球を続け、社会人になってからもほとんどの日曜日は
草野球をしており、試合の後はだいたい仲間たちと飲んで帰ってくるのが恒例です。
しかし、その日は翌日からの大阪出張のため、食事をとらずに帰ってきたようで、
「俺も晩飯ある?」と尋ねてきました。
「食べるならメールしてよ」と、しかたなく、自分の分のアジを夫の皿に盛りつけ、食事の用意をしました。

 

夫がコップ1杯のビールを飲み干し、「3人で食べるの美味しいねー」と息子が可愛いらしいことを言ったので、
思わず夫の顔をみたところ、急に喉から、ガッハーとものすごい音を出したのです。
ゲッホー、ゴッホーとむせている夫。
背中をさすってやると、「ほ、骨が、刺さったー」と目から既に少し涙が出ており、鼻水も出ています。

 

ふと見ると、食器の横で隠れてスマホでゲームをしていたようで、サッカーゲームの画面がピコピコ動いています。
子供の手前、食事中スマホをいじったり、ゲームをしないで、と普段から注意していることもあり、「そんなことして食べてるから」と私は「ご飯の丸のみしてみたら」と古典的な解消法を教え、食事の続きを始めました。

 

ところが、茶碗一杯のご飯を丸のみしても、痛みは治まらないようで、
ネットで魚の骨、取れないと検索を始めました。
私と息子は食べ終わり、お風呂に入り、息子を寝かしつける時間になっても、
夫はまだ痛がって、あれこれ試していましたがなかなか改善されないようで、
「もうだめだ、どうしても我慢できない。」と救急病院を探し始めました。
日曜の午後9時、耳鼻咽喉科で診てもらえるところを電話で相談したところ、
県内に1件しかないとのこと。

 

既にビールを飲んでしまっていた為、仕方なくタクシーを呼び、片道40分ほどかけて病院に行った夫が、深夜0時前に帰ってきました。
聞くと、深夜加算、骨の除去も簡単な手術扱いとのことで13000円もかかったとのこと。
「悔しいけど、勉強代だと思って、ネタにするしかないね」夫はすっかり疲れて力なく笑い、翌朝早くから出張に向かいました。